抗パーキンソン薬HP-200(ムクナ豆)の中枢性モノアミン神経伝達物質への影響
(要約)
ムクナ豆の内果皮を含むHP-200は、パーキンソン病の治療に有効であることが示されている。
また、ムクナマメの内果皮は、パーキンソン病の動物モデルにおいて、合成レボドパよりも有効であることが示されている。
本研究では、ラットの脳の各部位におけるモノアミン神経伝達物質及びその代謝物に対してHP-200中のムクナ豆内果皮が与える長期的な影響を明らかにすることを目的とした。
HP-200を2.5, 5.0, 10.0 g/kg/dayの用量でラット飼料と混合し,Sprague-Dawleyラット(各群n = 6)に毎日アドリブで52週間与えた。
コントロール群には薬を与えなかった。用量とコントロールはランダムに割り付けた。
52週間後、ラットを解体し、大脳皮質、海馬、黒質、線条体の神経伝達物質を分析した。HP-200の形でムクナ豆内果皮を経口投与することで、大脳皮質におけるドーパミン量に顕著な効果が表れ、黒質線条体経路中のレボドパやドーパミン、セロトニンとそれらの代謝物であるホモバニリン酸(HVA)、3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)、5-ヒドロキシインドール酢酸(5-HIAA)には有意な効果は見られなかった。
ムクナ豆内果皮が黒質線条体経路中のドーパミン代謝に大きな影響を与えずに、6-ヒドロキシドーパミン動物モデルと人におけるパーキンソン病症状に改善効果を有することから、その抗パーキンソン作用はレボドパ以外の成分に起因しているということ、或いはレボドパを増強する作用を有するということが示唆される。
引用)Effect of antiparkinson drug HP-200 (Mucuna pruriens) on the central monoaminergic neurotransmitters Bala V Manyam 1, Muralikrishnan Dhanasekaran, Theodore A Hare Affiliations Expand
PMID: 15022157 DOI: 10.1002/ptr.1407
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15022157/