研究室でのL-ドーパ計測で分かったこと
(株)紀州ほそ川によるムクナ豆製品のL-ドーパ含有量の研究により、加工前後で失われやすいL-ドーパの特徴が明らかになりました。
<NGその 1> 煮豆を長時間煮汁に漬けておくこと
ムクナ豆は硬いので水に浸した後、圧力鍋などで加熱することになりますが、この調理工程でLドーパはある程度煮汁に溶け出します。この場合、煮汁を料理に使うなどして利用することでLドーパの無駄は防げます。ただし調理後、豆を煮汁に長時間漬けておくことは、煮豆からLドーパが失われやすくなるので避けたいところです。煮豆は汁に漬けずに保存し、早めに食べきるようにしましょう。食べきれない分は冷凍保存がおすすめです。
<NGその 2> 焙煎粉末をさらに高温で調理すること
焙煎粉末はきな粉のような風味で美味しいので、様々なレシピに利用できますが、クッキーやケーキなど高温で調理する場合には注意が必要です。170度以上の高温調理ではLドーパが約半分になってしまいます。せっかくムクナ豆を利用していても肝心のLドーパが失われていては効果が期待できないため、高温調理はなるべく避け、低温でじっくり火を入れるようにしましょう。市販品の場合はしっかりLドーパが残ったものを選ぶようにしましょう。
<NGその3>Lドーパの吸収を阻害する食材と一緒に食べること
ポリフェノール消化酵素を含む食材(バナナやヤマイモ)と一緒に食べると、この酵素がせっかくのLドーパ吸収を阻害してしまいます。バナナやヤマイモを食べる場合は、同時に食べないようにしましょう。2時間ほど時間を空けると影響を受けずに済みます。
大切なLドーパを壊さないために
● 加工の際は高温調理・長時間の浸漬を避けましょう。
● 市販品はL-ドーパ含有量をしっかり確認しましょう。加工後のL-ドーパを計測している商品が安心です。
● 食べる際には食べ合わせにも十分注意しましょう。
本当に壊れやすいLドーパ。無駄にしないためには慎重な取り扱いが必要となります。調理や製品選びの際にはぜひ参考になさってください。