ムクナ豆と論文雑誌

研究

ムクナ豆は長期摂取しても大丈夫?副作用の出現は?

高齢者におけるムクナ豆摂取の安全性

ムクナ豆はパーキンソン病の治療への応用や、抗パーキンソン症状以外にも抗酸化作用、抗うつ作用など多くの健康効果に期待が寄せられています。一方でLドーパ自体は医薬品にも使われる成分であり、摂取の方法によっては興奮や血圧変動、幻覚などの副作用が現れる恐れがあり、健常な人であっても過剰摂取は危険を伴います。ムクナ豆の品質を均一にしたムクナ豆シート((株)紀州ほそ川製造)を使用して一般高齢者が12週間の長期摂取した場合の安全性についての研究が行われました。

 

高齢者におけるムクナ豆摂取の安全性

ムクナ豆シートは1枚平均1.14gで、Lドーパが1.4%含まれています。これを2枚摂取する群と4枚摂取する群に分かれ、血中濃度を測定しました。21名の一般高齢者を対象に行われた実験中には、主な有害事象は眠気が2名であり、消化器症状を訴えるケースはありませんでした。眠気も持続するものではありませんでした。12週間後には体温の上昇が認められたほか、血液検査の変動もありましたがすべて基準値内に収まり、因果関係はなしと判断されました。結果として1日6枚の継続摂取でも問題となる副作用は確認されませんでした。このことから高齢者のムクナ豆シート摂取は安全であると考えられます。安全性は基本的に適量を守ることで担保されます。過剰摂取は避け、ご自分の適量を見極めることが大切です。

参考)高齢者における、ムクナ豆摂取についての論文 西川典子,久保円,Win Thiri Kyaw、細川清,高垣昌史,菅能麻梨子,岩城寛尚,野元正弘,“高齢者におけるムクナ豆シートの安全性ー薬物動態試験と非盲検試験-”薬理と治療 Volume 45, Issue 11, 1851 – 1857 (2017)